Quo Vadis

多趣味な自分の行く末を問うてみる・・・

新しい世界史!?

たまたまKindle Unlimitedで出てきたので読んでみた。

どの教科書にも書かれていない 日本人のための世界史

どの教科書にも書かれていない 日本人のための世界史

「歴史に善悪二元論を持ち込まないこと、歴史は法廷ではない」(終章)

モンゴル、遊牧民の視点から歴史の"事実"をつむぎ直してみよう、という発想の本。

事実をストーリーとして紡ぎ出すには語り部の都合がどうしても生じるため、特にここ100年以内に新しくできた中共や朝鮮の政権などは自らの正当性を保持する為に、過去や関わったモノを必要以上に否定するストーリーを構築する。

チンギスハーンの時代のモンゴルは侵略者、大日本帝国は侵略者、という視点はまた、偏った史観ではないのか、という提言。

それを単純に鵜呑みにするのでは無く、日本人として自己中心史観でもない、しっかりとした歴史観を作ろうよ、と。

大日本帝国以降の時代の話は、日本が世界の表舞台に出てきた時代でもあるので、一気に登場人物が増えるし、関係各国のそれぞれの思惑で、それぞれの事実が、それぞれの側面で語られる。

特に中華民国(人民共和国ではない)ができたあたりの20世紀初頭の大陸は内戦状態だったわけで、言ってみれば日本の戦国時代みたいにあちらこちらで軍閥が群雄割拠、ナントカ政府もたくさん樹立しては消えていった。

中高の歴史の授業ではまずやらない(やろうとしても時間が足りない?)ので自分で補完するしかないが、編年的に事実を述べられるだけでは頭に残らないし、網羅的に体系的に独習するのはなかなかにムズカシイ。

まずこれらの事実を把握して自分の中で昇華する必要があるのだなと。

ただ、事実は事実としても網羅的に詰め込みすぎなきらいもなく、ある程度通史を知っていた方が面白さは増すかなと思う。

AMAZONレビューでも低評価なのは「文章がこなれてない」とつまり読みづらさを批判している。

まあ、歴史的なファクトは、批判的に見るためにも多角的に知っておいた方がヨイとは思います。

o-o

同じような時代の話を、20世紀中国(傀儡)政権特集、というカタチで本にしたものもある。

これもストーリーではなく客観的に事実を述べよう、とする意思は感じるけどその分情報量が半端なく、一度通読しただけでは当然追い切れない。 キッチュな表紙からは想像もつかないマジメな本だったw